69.
人類進化学の研究によると、現在生きて地球環境問題をおこしている人類は、現代人すなわち学名をホ モ•サピエンスという種類である。
ホモ.サピエンスは今から約0万年から0万年前、アフリカに現れ、それから広く世界に拡散していって 注)、現在ではほぼ全地球上に住んでいる。
その間には人口も増えた。
人口が増えれば、必要とされる食物や生活物資の量も増える。自然界には自ずから(注)その限界という ものが存在しているはずであるが、自然を支配して生きようとした動物である人間は、食物の栽培や物資の生 産を始めた。そして、その生産(農業生産や工業生産 の拡大によって、自然界の限界を乗り越え、人口を拡 大していった。ふつうの動物であれば、一^の土地にいるその動物の個体数が増えれば、ある時点で集団 の 分裂(注)がおこる。
しかし、体に武器というものを持たない動物であった人間は、どうやら100人00人を 超える大集団を 作って生活し、それによって敵から身を守り、食物も獲得していたように思われる。そして、そのような大集 団をなんとか維持する個体間関係を保つことが可能でもあった。
当然ながら、子どもたちもその大集団の中で育ち、年龄もキャラクター(注)もさまざまなたくさんの他 人たちの中で、その人々のしていることから、言語や概念(注5)も含めて 多種多様なことを急速に学びと って成長していったと考えられる。
つまり、大集団で生活すること、そしてそれが可能であったということが、人間という動物の特徴であった のである。
したがって集団の人口増加も「都市」の拡大も、人間にとって有利なことであった。こうして人間の人口は、 有史以来ひたすら増えつづけてきた。そしてもはや(注6)かなり前から警告されているとおリ、今や地球環 境の限界を超えてしまっているのである。
(中略)
だとすれば私たちは今何をしたらよいのだろうか?
自然を支配して生きていこうという人間の生きかたを、今さら変えることは無理だろう。それはライオンに 草を食え、ウマやウシにネズミを食えというようなものである。体の作りからいってもそれは無理である。
ではどうしたらよいのか?
それには人間が自然というものをもっとよく知り、環境とは何か、それぞれの生きものにとっての環世界(注 というものは何かをもっと深く知るほかはあるまい。
(注)拡散する:広がる
(注)自ずから:もともと
(注)分裂:いくつかに分かれること
(注)キャラクター:性格
(注5)概念:ここでは、意味内容
(注6)もはや:すでに
(注7)環世界:ここでは、自然環境
69.人口の増加について、筆者はどのように述べているか。
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